2011年1月20日木曜日

『国をつくるという仕事』


『国をつくるという仕事』西水美重子著、2009、英治出版


これを読みながら、何度も涙した。


西水さんの世銀での仕事の経験の中から、上に立つ者がいかなる姿勢をとるべきか、いかなるリーダーシップを目指すべきか、まじまじと伝わってくる。
インド、ブーダン、パキスタン、バングラ、アフガニスタンetc
ともに世界中の貧村をホームステイできたみたい。
ブーダンの王様から、貧村の人々まで、読まないと知らなかった世界がそこに広がってた。


インドの私が行った街にある貧困街。
貧しさ感じないなーなんて思ってた私は何も見えてなかったのだと、気づく。



熱中症等苦しい思いをしてまで、貧村の一番苦しい時期にあえて客人ではなく家族としてホームステイし働く西水さん。往復6時間の水汲み、煙だらけのかまどetc
そこまでして苦しい思いを共有、経験しようとするその彼女を動かすのはただ、『正義心』。
その苦しい思いを共有しないと、国民の気持ちを心底分かってあげれないのかな。
同じ視点にたてないのかな。
ただ働く西水さんに、ただただ頭が下がるばかりの思いだった。



というか、最後に西水さんが言わんとすることが、田坂広志さんの言葉で綴られてる。
あー、まとめてくれちゃったって感じね。

「自己の願望」から発するリーダーシップと「他者への共感」から発するリーダーシップは似て非なると。リーダーシップの原点は「他者への共感」であると。
「千人の頭となる人は千人に頭を垂れる人物である。」
共感とは、「自分の姿」を見る瞬間のこと。
もし、この世に生まれてくるとき、何かが違ったならば、自分がその境遇に生まれたのではなかったか。



ただこの本、雑誌の記事をまとめたものですごく長い。そして、短編ゆえ話が切れる!日記をもとに書いてるからか、文章が切れて読みづらい。。何を言わんとするのか、文の構成が分からなかったり。
でもそれを補える程、読む価値のある本だった。




私も、共感から動ける人になりたい。
相手の苦しみを自分のことに捉えられる人へ。
草の根を大事にする人へ。
『頭とハートがつながってる』人へ。

けど、「あなたも同じようにホームステイして働けますか。」と聞かれると、
自信がない。
だから、本当にその行動力と屈せぬ強さ、人を思う心にはほれぼれした。


そして、本を読みながら気づく。
今の日本の政治は、民主的なようで独占的なんじゃないかな。
何をしてるか分からないし、政治家さんは2代目、3代目ばかり。
そして、どこにも見えない信頼できるリーダーシップ。
日本、、大丈夫かな?


そいえば、西水さんは九大に来られたのね!
そのことをタカラさんが教えて下さって、さらに手元に西水さんの本があったからびっくり。
amazon
で適当に買ったのねw
「運命の本」かもね。

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